設備設計を生業とする一級建築士のひとりごと

設備設計士目線からの建築。

一級建築士製図試験対策#5(Part4 構造、設備に関する知識を必要最低限身に着ける)第2弾 設備について

今回は一級建築士製図試験対策Part4「構造、設備に関する知識を必要最低限身に着け

る」第2弾 設備に関する知識について書きます。

 

まずは一覧から。

Part1 製図試験までのスケジュールを決める
Part2 製図試験の情報源を確定させる
Part3 製図試験で大活躍したアイテム5選
Part4 構造、設備に関する知識を必要最低限身に着ける
Part5 エスキス力アップに活用したアイテムと勉強法(※エスキス手順ではないです)

 

前回の構造に関する知識からの続編になります。

今回は設備に関する知識について書きたいと思います。

あくまで参考程度に隙間時間など読んでみてください。

設備といっても空調設備や衛生設備や電気設備や昇降設備などかなり多岐にわたるためすべてを書くと莫大な量になるので、今回は空調設備について書きます。

 

設備に関する知識について

私は、都内で設備設計(主に空調設備、衛生設備の設計)を行っているため、この分野に関しては一級建築士の製図試験を受験する人の中では知識のある方です。

そこで今回は必要最低限、どの程度判断できる知識があればいいか説明していきます。

 

設備計画について

空調設備

一級建築士の製図試験における空調設備はまずは、大きく2つに分類されます。

①中央熱源方式

 ・空冷ヒートポンプチラーユニット(中央熱源方式の場合は基本これでいいです)

 ・冷凍機+ボイラー

②個別分散熱源方式

 ・空冷ヒートポンプパッケージエアコン(個別の場合は基本これ)

 ・水冷ヒートポンプパッケージエアコン

このサイトはざっくりですが、わかりやすいしこの違いくらいは最低限理解しておきたい内容になっていますので是非ご確認ください。

 

空冷ヒートポンプチラーユニットの場合

単一ダクト方式とファンコイルユニット方式に分類されます。

どちらの空調にも冷温水で室内の空気を冷やしたり、温めたりするので屋上に空冷ヒートポンプチラーの設置が必要になります。また、室内側に空調機(本体は空調機械室に設置し、室内はダクト+制気口設置)もしくはファンコイルユニットの設置が必要になります。各階には冷温水配管用のPS(1m×2m程度)が必要になります。

 

空調とは別に建築基準法で定められている換気設備も必要になるのですが、単一ダクト方式の場合は兼ねることができ、ファンコイルユニットの場合は換気設備に全熱交換器の設置が必要になります。(あくまで試験の解答としてはです。実際はもっと細かく考えますが製図試験ではその程度で十分です)

 

空冷ヒートポンプパッケージエアコンの場合

天井カセット型、天井隠蔽型、床置き型(直吹き、ダクト接続)などあります。

場所ごとでの使い分けが必要になりますが、基本的には通常の室には天井カセット型で、吹き抜けのあるエントランスホールなどの場合は天井隠蔽型で、大空間の室の場合は床置き型になります。また、チラーユニット同様に屋上設置の室外機と室内機の設置が必要になり、それに接続する配管(冷媒管)用のPS(1m×2m程度)が必要になります。

大空間に設置する床置きダクト接続の場合はDSも必要となります。

 

あと、空冷ヒートポンプパッケージエアコンの場合は、ファンコイルユニット同様換気設備として全熱交換器の設置が必要になります。実際は各パッケージエアコンメーカーから全熱交換器組み込みの外気処理パッケージエアコンも出ていますが、試験上はパッケージエアコン+全熱交換器を設置するのがベターだと思われます。

www.ac.daikin.co.jp

中央熱源方式と個別熱源方式の使い分け

基本的には試験元から指定がない場合はどちらを選んでも問題ないです。指定があった場合はそれに従い適切にPS,DS,空調機械室などを設置してください。

また、指定がない場合は基準階型(7階建て程度)の場合は個別分散熱源方式を採用。低層型(3階建て程度)の場合は中央熱源方式とする方が過去問から言うと良さそうですが基本的にはどちらも個別分散熱源方式を採用すればいいです。

 

最後に

今回は空調設備に関して簡単に概要を記載しましたが、今後より細かい知識に関して書いていきたいと思います。最低限上記に記載している知識はもって製図試験に臨んでもらえればと思います。