あけましておめでとうございます!
昨年は、一級建築士に合格したり、第2子が誕生したり色々人生のポイントとなることが起こりました。
今年は、一級建築士として初年度になるのでより一層知識を向上していけるように努力していきたいと思います。
私が経験した一級建築士の勉強法など随時アップしていければと思います。
あくまで参考として読んでもらえればと思います。
今回は一級建築士製図試験対策Part4「構造、設備に関する知識を必要最低限身に着け
る」について書きます。
まずは一覧から。
Part1 製図試験までのスケジュールを決める
Part2 製図試験の情報源を確定させる
Part3 製図試験で大活躍したアイテム5選
Part4 構造、設備に関する知識を必要最低限身に着ける
Part5 エスキス力アップに活用したアイテムと勉強法(※エスキス手順ではないです)
過去記事は以下になります。
Part4 構造、設備に関する知識を必要最低限身に着ける
みなさんは一級建築士の製図試験で試験元が公表している過去問の合格基準は熟読してますでしょうか。
わたしは、令和3年度の初受験時は課題に取り組むのに必死でそこまで熟読できてなかったです。過去問は流し見程度で何となーくくらいで確認してました。
ただ、過去問の解答ってもっと研究するとより合格するための知識やコツがわかると思うんですよね。それを今年はかなり意識して、まずは昨年自身がなぜ落ちたのかを研究することでどこを強化すべきか理解し、足りない箇所のスキルを重点的に強化しました。
以下は試験元が発表している採点ポイントになります。(令和4年度版)
(1)空間構成
①建築物の配置・構造計画、②ゾーニング・動線計画、
③要求室等の計画、④建築物の立体構成等
(2)建築計画
①貸事務室の収益性、可変性、快適性等に配慮した計画
②シェアオフィスの収益性、快適性及び多様な働き方に対応可能な計画
③省エネルギー及び二酸化炭素排出量削減に配慮した計画
(3)構造計画
①地盤条件や経済性を踏まえた基礎構造の計画
②無柱空間や耐震性等に配慮した構造計画
(4)設備計画
①空調方式、設備スペース及び設備シャフトの計画
②貸事務室の排煙計画
(1),(2)は当然抑えると思うのですが、(3),(4)は中々学校でも細かく教えてもらえなかったりします。
ただ、並列で並べられてる以上、構造、設備の知識も持ち合わせていないと合格できません。
学校に通ってて感じたのは、受験者の半数以上が建築設計や施工の方のため、構造設計や設備設計に関する知識が疎い人が多くいるように感じます。
ただ、構造設計、設備設計を行っている人は逆に(1)が結構苦手だったりしますが…。
私は、設備設計を行っているのでやはり(1)がかなり苦手でした。こちらに関しては、先生にかなり質問したり、エスキスの回数をかなり実施してスキルを向上させました。
そこで今回は、私が試験でこの程度あれば受かると感じた構造、設備に関する必要最小限の知識を共有します。
構造に関する知識
基本的に構造に関する出題内容としては以下になります。
・構造種別、加工形式、スパン割り、主要部材寸法について
・耐震性能について
・特定天井の構造について
・地盤条件や経済性を考慮した基礎構造について
この辺りがよく出題されています。
構造種別、加工形式、スパン割り、主要部材寸法について
構造種別は、建築物の用途を考慮し、耐震性、耐火性、耐久性に優れた鉄筋コンクリート造を採用
架構形式は、平面計画の自由度が高く靭性に優れたラーメン架構
スパン割は、極力整形な形状とし、7m×7mとし、断面に無理のない計画
部材寸法は、
部位 | 断面寸法 | |||
(㎜) | ||||
柱 | 低層タイプ | 700×700 | ||
基準階タイプ、PC梁を支持する梁 | 800×800 | |||
大梁 | 6~8mスパン | 500×800 | ||
10m以上 | 500×1,000 | |||
小梁 | 5~7mスパン | 300×600 | ||
7m以上 | 300×700 | |||
片持ち梁 | 3m以下 | 500×800 | ||
スラブ厚 | 基本 | 200 | ||
片持ちスラブ | 200 | |||
壁 | 耐力壁 | 180~250 | ||
その他の壁 | 120~180 |
このあたりを押さえておけばいいです。
基本的には朱書き個所押さえておけば問題ありません。
耐震性能について
キーワードは、耐力壁・耐震計算ルート・目標耐震性能・免震構造・制振構造・構造スリットなど。
中でも耐力壁と耐震計算ルートは記述で頻出問題なのでしっかり対策しておきたいところです。
記述の基本情報は、こちらに記載の内容で覚えていきました。このサイトは隙間時間の勉強などにかなりおすすめです。
特定天井の構造について
近年、頻出の問題になります。東日本大震災で体育館等の大空間の天井材落下などが発生し、甚大な被害が生じました。このことより、大空間における天井材落下対策に関する基準が新たに制定されました。
法規上の特定天井は、
・吊天井
・日常に人が利用する場所
・水平投影面積200㎡以上
・天井高さ6m以上
・天井材の質量が2㎏/㎡以上
となりますが、製図試験では安全性に考慮して基本的に200㎡前後の6m超えの室は特定天井とします。
対象の室がある場合は断面図や記述で記載を求めらることが多いです。
私が受験した令和3年、4年度の試験では大空間が無かったので記載無いですが、学校の課題ではかなり練習しました。
以下が特定天井のイメージになります。
地盤条件や経済性を考慮した基礎構造について
基礎に関しては、毎年試験元が色々と仕掛けてくるのでこちらの知識もしっかり持っておかないと対策できません。令和4年度みたいに杭基礎が出ることもあるのでしっかり準備が必要です。
今までは、基礎に関してはべた基礎にして、軟弱地盤は地盤改良すればOK!と言われていましたが今回の試験により、より広い知識が必要になりました。
今回に関しては、初出題だったため杭基礎としなかった人も合格されてる人が一定数いるようなので、一発アウトではないですが今後は厳しく判定されてくると思います。
基礎は、直接基礎と杭基礎の2種類に大きく分類されます。
直接基礎の場合は、基本的にべた基礎がベターだと思われます。ただ、地盤次第では独立基礎がいい場合もあるのでこの点は学校で色々な課題に取り組んで自身の知識を向上させていってください。
杭基礎の場合は、令和4年度の試験元の解答例では場所打ちコンクリート杭、既製コンクリート杭どちらも出ているので対応としてはどちらでもよさそうです。
なので、地盤条件から基礎を選定する場合は、以下を目安としてください。
GL~支持層まで
3m以下の場合:直接基礎(基本的にべた基礎)
3m~5m程度の場合:表層地盤改良+直接基礎
5m~10m程度の場合:柱状地盤改良+直接基礎
10m以上の場合:杭基礎
以上になります。
今回は構造に関する部分で結構長くなってしまったので次回、設備に関する内容を書きたいと思います。
ありがとうございました。